2010/01/19

浅川マキさん

浅川マキさんが亡くなったと、ニュースで知りました。
知り合いに連れて行ってもらったロックバーで初めて浅川さんの歌を聞いたとき、
歌う事は苦しいことだと知った。20歳の頃。
ひどく衝撃を受けて、タワーレコードでアルバムを探して
ようやく見つけたのが、当時の浅川さんの新譜「闇のなかに置き去りにして」
ギラギラしたモノクロのジャケ。
ものすごく深くて低くて不透明なその声。
20歳の私から生まれるはずも無い、その積み上げてきた人間の底力みたいなものを感じてなんだか震える思いで聴いたアルバム。


東京でアルバムのレコーディング中にスタジオに浅川さんが現れるという事件が起きるのはその2年後。当時の事務所の社長が浅川さんと知り合いだったので、浅川マキさんの歌に影響を受けた私に社長からのプレゼントで会わせてくださったんだけど、真っ黒のワンピースに、サングラス。ジャケのそのままの姿でどういうわけか私の歌入れの指導が始まってしまった。
結局、浅川さんに私がなれるはずもなく、私は私のままでレコーディングは進む。
なんだか、唄うことは息をすることみたいだった。
肺が苦しくて息を吸うのもやっと。
そんな歌。


ご招待いただき、新宿のピットインで浅川さんのアカペラを聴いた。
ひざががくがくするくらいこわい。
恐怖の怖いではなく、神を恐れるようなそんな怖さ。
時代の重みが違う。
浅川さんの歌には生々しいくらい命を感じた。


浅川さんの歌を聴こうと思って
引っ張り出してみたけど、
やっぱり聴けない。
なんだか聴けないのです。



CC